少数精鋭の電気炉トップエンジニアリング企業です
社員数が37名の理由ですか? そうですね。当社の製品は完全受注生産なんですよ。だから常時、定期的に注文が入るわけではないんですね。まず、お客様から引き合いが来て、それからお客様のニーズをお聴きして、見積書を出して、受注してから生産するというビジネスです。全部、お客様のニーズに対して、一品一様のプロジェクト形式でやらせていただいているんです。おかげさまで、現在は仕事が順調に入っておりますが、それでも受注生産である以上、仕事量が安定しないリスクは抱えているわけです。そのためのリスク回避策として、社員数を35人で抑えて、少数精鋭で経営しているんです。
また、自社だけで多くの人材や設備を抱え込んでモノづくりをやっていかなくても、私達の周りには優秀で能力の高い会社がたくさんあるんです。そういう会社と共存共栄を図っていけばいいという考え方も当社が少数精鋭でやっている理由です。
そして、3つ目の理由ですが、複数の人間で分業するよりも、一人の社員に最初から最後まで任せたほうが、社員はグングン成長します。だから、社員を増やして分業をさせるよりも、大きなプロジェクト以外はひとりの社員に全部やってもらう。そういった考えで、わずか社員数35人で大きな仕事をさせていただいております。
「山椒はこつぶでピリリと辛い」。そんな会社でありたいと考えているんです(笑)。
社員にはなんでもできる人になって欲しい。実際、ウチの技術社員はお客さんのところへ一人で出かけて行って案件をまとめて帰ってきます。分業するのではなく、営業も、設計も、業者さんの手配も、指示も、購買も、お客様に納品するまで全部、自分がリーダーとなってお取引業者さんをうまく巻き込んでやる。そのほうが社員は成長します。大きなプロジェクトはチームでやりますが、小さなプロジェクトは自分ひとりでやる。それがやりがいだってうちの社員も言ってますね。実際、入社3年~5年で当社の社員はみんなそれが出来るようになっていますね。
50年以上の実績を誇る、
当社だけが提供できる製品と
技術力があります
ウチの強みですか?日本も韓国も東南アジアも製鉄関係がもう飽和状態で儲からないので、我が国の大手企業もどんどん手を引いているこのマーケットのなかで、製鋼設備専門でやっているのは、日本ではもう当社だけなんですよ。当社はこの事業をもう50年以上やっていますから当社には経験が蓄積されています。これが当社の強みだと思いますね。
また、当社はどこの大手企業の系列でもないため、どのお客様とも直接お取引が可能です。商社も通さずに直接お取引できますから、技術交流も、コミュニケーションもすごく早い。これも強みだと思います。
そして、当社のように電気アーク炉を専門にやっている会社はほとんどありません。当社はこれに特化しており、競争相手も少ないんです。これも大きな強みですね。お客様は国内に固定で数十社あります。価格競争に巻き込まれることなく、固定客から依頼された仕事をしっかりとこなしていけば大丈夫なんです。
若手社員がどんどん成長できる環境をつくっていきたい
今後のビジョンですが、当社が製造している電気アーク炉はCO2があまり出ないので、環境に優しいんです。世界的に環境対策が叫ばれている環境のなかで、この電気アーク炉の需要はずっと続いていくと思います。ですから、当社は今後も電気アーク炉専門で、小集団経営で続けていきたいと考えています。
海外については、昔、当社はジェットバーナーという製品を世界中に広めた実績がありますが、その時のように、何か革新的な生産設備を開発して世界で勝負できればいいですね。若手社員が勢いづきますからね。
あと、製鉄設備についてはヨーロッパが進んでいるんですが、そのヨーロッパの製品を、当社を通して日本企業に導入することを今後手掛けたいと考えています。当社の技術が活かせますからね。その事業を通じて、海外の最新技術も導入することもできますし。そうやって、若い社員がどんどん活躍できる環境をつくりたいと考えています。