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Interview会長×社長 トップ対談

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代表取締役社長
有働 航司Udo Koji
代表取締役会長
有働 英司Udo Eiji

Section 01社長交代の裏側

─── はじめに英司会長にうかがいます。2024年4月に社長の座を譲りましたが、社長交代を考えたきっかけは何でしたか?

英司会長(以下英司):
一番の理由は私の年齢です。70歳を迎えたところで、次の世代に任せる時期が訪れたと判断しました。

─── 社長交代を決断したタイミングはいつ頃でしたか?

英司:
2023年の年末です。納会で社員の前で発表しました。

─── 航司社長は打診を受けて、どのような心境でしたか?

航司社長(以下航司):
正直、「少し早いな」と思いました。自分としては、あと1〜2年くらいは経験を積む必要があると感じていましたので。ただ、言われたからには「やろう」と覚悟を決めました。

─── 不安な想いもあれば、「やってやろう!」という気持ちも湧いてきたかと思うのですが

航司:
最初はやはり不安な気持ちが強かったです。会長の姿を見ながら勉強を重ね、少しでも早く一本立ちしていかないといけないと思っています。

─── 就任からしばらく時間が経ちましたが、心境に変化は出てきましたか?

航司:
今はまだ会長のサポートのもと、助言をもらいながら業務を遂行している状態ですので、自分ひとりで全てを判断していく状況になってからが本当の勝負なのかなと考えています。
英司:
私も早めに全てを任せたいと思っています。お客様を見ていても、経営陣がどんどん若返っていらっしゃいますからね。

Section 02次世代に託す思い〜会長から社長へ〜

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─── 英司会長は、今後ニッコーをどんな会社にしていってほしいと考えていますか?

英司:
今まで培った技術と実績をベースに、継続路線を歩んでいってもらえばいいんじゃないでしょうか。幸い、社会情勢の影響もあってCO2の排出量を抑制できる電気炉が脚光を浴びていますし、電気炉を専門で取り扱っている競合他社も数少ない状況です。大手のお客様からも定期的にお声がけいただいていますから。
航司:
私も同じように考えています。社長を受け継いだことで「何か新しいことをやっていかなければ」という気持ちもありますが、まずは今までのスタイルを大切にしていくことが大事なのではないかと。そのおかげでこの会社も60年続いてきたわけですから。
英司:
あとはお客様と懇意であり続けてほしいです。お客様からのご相談がヒントになって誕生した製品もたくさんあります。
航司:
お客様から「こういうことはできないか?」とお問い合わせをいただいたことに対してチャレンジしていく姿勢は引き続き大事にしていきたいです。特に近年は環境配慮に関するご相談をいただくことも多く、それらのニーズにお応えできる製品の開発に注力していきたいと考えています。

─── 他にも、守り続けてほしいポイントなどはありますか?

英司:
基本的なことかもしれませんが、服装・礼儀・あいさつを正しくすることです。あとは対応の早さ。作業の進捗状況もお客様に随時共有していますし、見積りも可能な限りスピーディに出すよう徹底しています。
航司:
見積りに関しては、お客様からも早いとおっしゃっていただけます。

─── そのような取り組みを続けていくことで、よりニッコーがお客様から愛される会社をめざしていってほしいということですね。もう一つ、英司会長に質問ですが、今後の航司社長にはどのようなことを期待していますか?

英司:
まだまだ勉強を重ねてほしい部分はあります。特に製品の技術面に関する知識はしっかり身に付けてもらいたいです。製品に関しておかしいと感じたことにしっかり意見を伝えられるようにならないと。
航司:
そうですね。そこは私も自覚しています。
英司:
これからの時代を考えると、英語力も重要です。海外のお客様と簡単なコミュニケーションが取れるよう勉強してほしいです。

─── 思わぬ厳しい指摘がありましたが……航司社長の人柄や長所を活かしてどのような経営者になってほしいと考えていらっしゃいますか?

英司:
彼の長所は細かい気配りができることです。社員の誕生日や昇進時にお祝いのメッセージを寄せているんですよ。あとは人と打ち解けるのが早い。取引先の代表者さんと、初対面でもスムーズに会話している場面をよく見ますね。
航司:
私自身はどちらかといえば人見知りなタイプだと思っているのですが、複数人でコミュニケーションを取るのは割と好きな方です。1対1だとさすがに緊張しますが……
英司:
社長の人柄は会社の雰囲気にも影響します。とにかく明るくて活気のある会社であり続けてほしいですよ。

Section 03私の見てきた軌跡〜社長から会長へ〜

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─── 続けて航司社長にうかがいます。父でもある英司会長の姿を、どんな想いでこれまで見てきましたか?

航司:
私が子どもの頃に、社長としての父の一面を見ることはほぼありませんでした。ただ、会社の行事でスキーに連れて行ってもらった時に、父と社員の方々が気さくに接しているのを見て「楽しそうだな」と思った記憶があります。その距離感の近さは現在も変わらないです。

─── 航司社長がニッコーに入社されてからはどのような印象を持ちましたか?

航司:
一緒に仕事をするようになって、すごさを実感しました。先ほどもお話しした通り、誰とも親しみやすい性格で周りに接していますし、かつ製品の技術面に関しても知識が豊富で感心させられることばかりでした。

─── 後を継がれることは早くから意識していたのでしょうか?

航司:
ゆくゆくは跡を継ぐことを考えていました。私は高校を卒業後、別の会社に就職し、大学に入った後にニッコーに入社したのですが、そのタイミングで意識は持ち始めていましたね。父から「将来、ニッコーで後を継ぐのならしっかり大学で学んでおけ」と言われたのが一つの大きなきっかけとなりました。

─── 英司会長としては、航司社長がニッコーに入社したのはうれしかったのでは

英司:
もちろん、それはうれしかったです。近年は事業承継が社会的な課題にもなっているくらいですし、その心配が解消されてよかったです。
航司:
私が高校を卒業して就職する際には猛反対していました。「大学に行きなさい」と言われたのも、きっとニッコーを継いでほしい想いがあったからだと思っています。

─── ちなみに、航司社長が子どもの頃はどんな性格でしたか?

英司:
ひとことで言うとマイペースな性格でした。思い出されるのは彼が小学生のとき、家族でレジャーに出かけた帰りに周りが片付けているのに、一人だけ車の中でマンガを読んでいたことですね。さすがに強く叱りました。
航司:
当時はやりたくないことはやらないタイプだったかもしれませんね。

─── それから時を経て、現在は会社を引っ張る立場になったわけですが、社長の業務内容において最もやりがいを感じるのはどのような部分ですか?

航司:
会社がめざしていく方向性を自分で考え、自分で示していけることに楽しさとやりがいを感じています。一方で、大きな決断が迫られたときの責任感やプレッシャーの大きさにゆくゆく悩まされることも増えていくのではないかと想像しています。

─── 英司会長はどのようにして大きな決断を下してきましたか?

英司:
先代の社長である私の父が、会社の運営や資金面に関しては非常に堅実な判断を常に下していましたので、そのあたりはとても参考になりました。
航司:
そういう意味では私は「社員を大切にする」父の経営者像を尊敬しているので、受け継いでいきたいですね。

Section 04新時代への新たな挑戦

─── 今後、ニッコーをどのような会社にしていきたいですか?

航司:
雰囲気のよさを大切にしていきたいです。仕事は基本的に大変なことばかりですが、少しでも楽しく業務に励める環境づくりを心がけていきたいです。例えば社員の残業時間が大幅に短縮されたのは、会長の経営方針によるものですので、しっかり守っていかなければなりません。もちろん新しいチャレンジも必要ですが、まずは引き継がれてきたものを壊さないようにしたいです。
英司:
会社の行事に社員が積極的に参加してくれるのがうれしいです。
航司:
福利厚生の面でいうと、社員の育児休暇や介護休暇の取得を広めていきたいと考えています。私も子どもが産まれる予定があるので、育児休暇を取得しようと思っているところです。

─── 上席者が率先して取得することで、会社全体にも波及していきそうですね

航司:
そうですね。実際に社員の取得事例も増えてきています。社員はもちろん、そのご家族も大切にしていく会社でありたいと考えています。

─── これからもますますの発展を願っております。本日はありがとうございました。

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